
生き物たちの屋上
実は、建築の緑化の中でも屋上緑化は比較的容易に実現できるのです。
そのため歴史も古く実績も豊富なため、
安心して取り入れられる緑化の1つに数えられます。
都市部ではそれなりの大きさの庭を持つのは容易ではありませんが。
屋上は、アクティブに使える庭を確保するのに都合の良い第二の地盤だといえます。
日が常に当たるので乾燥気味になる事と、限られた土壌に気をつければ、
植物の生育環境としても良好です。
緑化された屋上は、屋根面の温度上昇が抑えられ、
室内の空調に使うエネルギーの減少につながります。
適切に設計・施工されていれば躯体を保護する効果もあり、
防音にも多少の効果があるのです。
以上のように屋上緑化にはいろいろな利点がありますが、
私たちはもう少し踏み込んで、屋上ビオトープまで実現させたいと思っています。
ビオトープは、緑化に水辺を取り入れたもので、
利用できる植物の範囲が広がることはもちろん、
それによって多様な生物の生育環境が作られます。
それは自然の環境に近い状態を、出来る限り復元する方法です。
公共施設などが、生態系の回復を謳ってビオトープを採用し、
積極的にPRしている様子を見かけますが、
それほど大袈裟に構える必要はないのではないかと思います。
まずは、色々な環境を作る楽しみが増え、
自然の多様さの中で生活し、時に悪戦苦闘することで、
より自然と自分が繋がっていると感じられる。
ビオトープはそういった、生活=生きることを感じる手段でもあるのです。
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