
屋久島の山中で撮影したものこの写真は、
根の露出した複数の樹木が寄り集まって、内部に空間を囲い込み、
ちょっとした建物のようになっています。
樹皮には苔が張り付き、落ち着いた佇まい。
周りは木漏れ日が適度に明るく、清々しく、
個性的でありながらも、周囲と同じ「木」のためか浮いた感じはありません。
なによりも、植物のおぞましいほどの生きようとする力が、
直にその体を形作っていて、否応なしにもこちらに伝わってきます。
私たちはこれを見たときに、近い将来の建築の有り様を
示唆するものではないかと感じました。
今後、完全に機械制御された快適さへの反動は大きくなっていくでしょう。
また身体的、生命的なものの重要性を、より感じていくのではないでしょうか。
山中で見付けたこの自然の構造物に、理想の住環境の原形を見たような気がしました。
もちろん、この植物の作り出した空間にそのまま住むということは困難です。
けれども、適切な仲介があれば、人と植物の距離は良好に保たれ、
私たちの「生」と植物の「生」が共存することも可能です。
その仲介として、「建築」の新しいあり方が見出せるのではないでしょうか。
植物に住む。
その仲介としての建築。
それを考えるための
私たちMOSSTの5つの柱が以下です。